投資の現実

いまだに「資産運用」と聞くと、個別株式を思い浮かべる人は少なくないのではないでしょうか。実際、株式投資で資産運用を行っている個人は多いと思います。

しかし、市場環境は大きく変化しています。米国市場をみると、約60年前は投資家の9割が個人投資家で、機関投資家は1割程度にすぎませんでした。ところが現在では、状況は逆転し、豊富な資金力と高度な知識・分析力を持つ機関投資家が約9割を占め、個人投資家は1割程度となっています。

このような市場において、情報力や分析力で機関投資家に大きく劣る個人投資家が、長期にわたって勝ち続けることは果たして可能でしょうか。「自分は相場を読む才能がある」と考える人は、個別株投資を続けるのも一つの選択ですが、短期的に成果が出ることはあっても、長期で安定した資産形成を行うのは現実的には難しいと言わざるを得ません。

現在の市場環境において、長期の資産形成を目指すのであれば、9割を占める優秀な機関投資家の“平均”の成果を取りにいく、すなわちインデックス運用を活用することが、最も合理的な選択だといえるでしょう。実際、優秀とされるファンドマネージャーであっても、長期ではインデックスに勝てないケースが大半であるという事実が、その有効性を物語っています。