7月27日、28日の日銀の金融政策決定会合について
日銀は、長期金利の変動幅を±0.5%程度を目処にし、1.0%の利回りでの指し値オペを実施すると発表しました。日経新聞などは、「長期金利1%まで容認」と書いています。わたしは、今回の日銀の決定は、過去の金融政策の検証を踏まえひじょうに考え抜いた決定だと思います。1990年8月バブル経済真っ只中、日銀は当時の公定歩合を2.75%と大幅に引き上げ、6%にしました。これが、バブル崩壊の要因の一つになったといわれています。その後、政策変更を緩和に舵を切っても、バブル崩壊後の景気後退は止められず、日本経済の低迷が30年近く続いたのは、ご存じの通りです。いったん、バブルの崩壊がはじまると、いくら政策を導入しても止められないのは、古くはオランダのチューリップバブルやイギリスの南海バブルなどが証明しています。したがって、過去の検証から見ると、金利を急激に上げ、経済が混乱し景気が大きく後退したら、それを止めるのは、ひじょうに難しいと思います。今回のように、0.5%を1.0%まで容認するという表現が、市場の大きな混乱を防ぎ、大規模金融緩和の出口をソフトランディングする方策であると思います。