老後に不安を感じる②

「年金の受給開始時期は選択制」のコラムで、75歳まで繰り下げができることを書きました。ご夫婦同い年で、65歳から支給される年金額はご主人は230万円、奥様は78万円の例ですと、お二人の65歳からの国民年金と厚生年金は、合わせて280万円支給、配偶者される方だと、75歳まで繰り下げると年間約470万円を生涯にわたって受給できます。思った以上に長生きしても、月47万円がずっと支給されますので、長生きしたら老後資金が枯渇するのではないかという不安から、解放されると思います。年金で足りないお金を老後資金から取り崩すという考えを変えて、老後のお金は、どんなに長生きしても亡くなるまでもらえる年金で全て賄うという方法にすることです。いつまで生きるかは、誰にもわかりませんので、どんなに老後資金があっても、そのお金は限りがある以上、不安はなくならないと思います。それに対し、大幅に増加した年金は、いくら長生きしようとずっともらえます。生きている限り、お金が尽きることはありませんので、老後資金がなくなるという不安から解放されます。それでは、「65歳から75歳までの10年間のお金はどうするんだ。」と疑問がわくと思います。そのために、65歳まで準備した老後資金を、この10年間に使います。年間300万円の生活費として、少なくとも3000万円程度の資金を用意しないといけませんので、無理だという方もいると思います。その場合は、70歳まで繰り下げ、70歳から年間437万円受給するという方法もあると思います。月36万円の受給ですので、十分な金額だと思います。この方法ですと、65歳から70歳までの5年間の生活費1500万円の準備で済みます。病気などいざというときの備えを500万円として、合計で2000万円準備しておけば対処できると思います。老後資金の不安は、年金を増やすことにより解消するということを選択肢の一つとしてはいかがでしょうか。