年金制度の真実①

前回、亡くなるまでの資金は、繰り下げにより増加した年金で賄うのが、一番安心できると書きましたが、そのためには、年金に対する信頼が前提であることは言うまでもありません。わたしが、年金関係の仕事を担当していた13年前は、消えた年金が社会問題化した影響もあり、年金制度に対する信頼が揺らぎ、「年金制度は崩壊する」という不安をあおる記事が週刊誌などに掲載されていました。今でも、若い人たちの間に、「自分たちが年をとった頃には、年金はもらえないのではないか」と不安を感じている人がいます。しかし、日本の年金制度は、その時々の保険料収入から支給する賦課方式です。これは、現役のサラリーマンが、年金受給者に仕送りしているのと同じことです。言い換えると、年金受給者は、現役のサラリーマンの仕送りで生活しているのです。つまり、仕送りをしてくれる人がいる限り、年金制度が崩壊することはありません。仕送りの原資である保険料収入は、給与から天引きで徴収されるので、心配ありません。「少子高齢化で、仕送りする人が少なくなり、仕送りを受ける人が増える一方ではないか。」と不安に思う人がいるかと思います。そのことについては、次回、書きたいと思います。