年金制度の真実②
少子高齢化が進むと、支える現役世代の人が減り、年金をもらうお年寄りを支えきれなくなり、年金制度は崩壊するという論調があります。「少子高齢化」という言葉は、今の日本の社会情勢を最も表現したキーワードですので、この言葉で年金の話を聞くと、誰もが納得してしまいます。たしかに、65歳以上1人に対し、64歳以下の人が何人で支えているかということでは、1970年は、64歳以下13.1人で1人の65歳以上を支えていましたが、2040年には、1.8人で1人を支えることになる予測ですので、年金制度は持たないと不安に思う方が多くいるのは当然だと思います。しかし、「働いている人(仕送りする人)」と「働いていない人(仕送りしてもらう人)」という点で見ると、全く違ってきます。わたしが、小学生の頃の1970年は、高度経済成長の時代で妻は専業主婦で夫は仕事に専念するというのが一般的な家庭で、定年は55歳の会社が多かったと思います。それに対し、現在は、働く女性が当たり前になり、再雇用などで65歳まで働く人が一般的になっています。実は、仕送りする就業者と仕送りしてもらう非就業者の割合は、30年前と変わっていません。少子高齢化だから、年金制度が崩壊するわけではないことが、おわかりいただけると思います。