年金制度の真実⑥
「少子高齢化が進み、年金制度は破綻する」と、宗教のように信じている方が多いのは、紛れもない事実です。結論から申し上げますと、「年金制度は少子高齢化でもつぶれない」仕組みになっています。「この先、少子高齢化で、年金を仕送りする現役の人は減り続け、年金をもらうだけの高齢者が増え続ける」というイメージそのものが、正確ではありません。以前のコラムでも書きましたが、仕送りする人に女性や60代のシニアが加わったため、仕送りする人は、減り続けていません。そして、年金をもらう高齢者は、2040年前半をピークに減少に転じます。団塊の世代が90歳を超え、亡くなっていくからです。少子化世代の若者が、年金をもらう高齢者になる時には、今よりはるかに高齢者の数は少ないのです。高齢者が増え続けるという前提は、2040年代前半までのことです。ちょっと、難しい言葉を使ってすみませんが、2004年に「マクロ経済スライド」という制度が導入されました。この制度は、わかりやすくいいますと、「お年寄りがもらう年金は、現役の人の仕送りの範囲内にする」という制度です。仕送りの範囲内でしか年金を支払わないのですから、「年金制度はつぶれようがありません。」というのが真実です。