退職金が振り込まれると

会社や公務員を定年退職すると、退職金が翌月くらいに振り込まれることが多いと思います。そうすると、どのようなことが起こるかというのを、わたしの経験をお話ししたいと思います。わたしが６０歳になった３月末に国家公務員を定年退職し、４月に退職金が某メガバンクの日比谷支店に振り込まれると、早速、日比谷支店から女性の声で、「このたびは、退職おめでとうございます。これからの退職金のご活用について、ぜひ弊社でお手伝いさせていただければと思います。」とやさしく言われました。わたしは、「個人向け１０年変動国債を１０００万円購入したいと思います。」と言ったところ、「そうですか。でも、国債は利率が低いので、お客様にもっと有利な商品がございますので、ご案内させていただきたいと思います。」と言われました。わたしは、手数料の高い商品を勧めてくることを想定して日比谷支店へ向かいました。支店に入ると、個室へ通され、３０代と思われる黒のパンツスーツの女性が和やかな笑みを浮かべて、「年利６％の金利がつきます、特別の退職金運用プランの商品です。」と、案の定、銀行指定の投資信託と抱き合わせた商品をすすめてきました。そして、小さい字をよく読むと、金利６％は最初の３ヶ月だけと書いていました。そのあとは、通常の低い金利です。したがって、年率は、実質1.5%にしかなりません。投資信託の販売手数料が２％、年間の信託報酬も２％くらいでしたから、1.5%から4％を差し引くと、マイナス2.5%にです。丁重にお断りして、当初の考え通り、1000万円の個人国債を購入しました。　　　　　　　　　　　実際に個室に通され、やさしく女性からいわれると、断るのは、かなり勇気がいると思います。その場で判断せずに、「妻とも話し合って決めたいと思いますので、資料を持ち帰り検討させてください。」と言って、退出するのがよいと思います。絶対に、その場で、判断せずに、持ち帰ることをおすすめします。