年金制度の真実④
GPIFは、四半期ごとに年金の運用成績を公表しています。前回、書いたとおり、2023年6月末時点の運用成績は、過去最高の219兆1736億円に達しています。運用ですから、当然、その時の市場の動向により、プラスになったりマイナスになったりします。最近では、2020年1月から3月の運用成績がマイナス10.7%、金額で17兆円を超えるマイナスになりました。この時期は、コロナでアメリカも日本も株価が35%くらい下落しましたので、市場の動向からすれば当然です。しかし、テレビの報道などは、プラスのときはあまり報道しませんが、マイナスになったときだけ、大きく報道し危機感を煽りに煽りまくります。明らかに、プラスとマイナスのときで、報道の扱いに大きな温度差があります。相談にこられた方の中にも、「GPIFが大きく損失をだしたと、新聞で見た。年金は大丈夫かと心配で仕方ない。」と、切実に不安を訴える方がいました。わたしは、「新聞やテレビは、マイマスの時だけ大きく報道しますが、トータルでは確実に運用成果が拡大しています。」と伝え、過度な心配はしなくて大丈夫であると伝えています。マスコミには、悪いことを報道したがる習性があると考え、それに惑わされないことが大切であると思います。