シニアの資産運用は何のためにするのか
最近シニアの方たちの相談を受けて感じるのは、ネットや雑誌などで、「今のままでは80歳で資産が底をつきます。○○の見直しをすれば、100歳まで資産寿命は余裕があります。」というような論調に、違和感を持っている方が多いということです。私自身も、ひじょうに違和感があります。たとえば、65歳からの人生は、資産寿命を延ばすことだけにあるのでしょうか。そうではないと思います。健康寿命のあるうちに、訪れたいところに旅行をしたり、好きな音楽やスポーツなどを観戦したり、映画を鑑賞したり、趣味に没頭したりなど人生を楽しんで充実するためにあるのではないでしょうか。資産形成はそのための手段であって、資産形成が主役になっては、本末転倒です。人生100年時代は、健康で人生を長く楽しく充実して生きるということが主役であり、資産を100歳まで延ばすというのが目的ではないはずです。100歳で、資産に余裕があって何になるのでしょうか。シニアの資産運用は、楽しく充実した人生を送るために、運用しながら取り崩していくことこそ、王道であると思います。