日経平均4万円はバブルなのか?

最近、テレビでも「現在の株価はバブルではないか」といった声が多く聞かれますが、果たしてその通りなのでしょうか。私はセミナーで、次のように説明しています。「現在の株価はバブルでも何でもありません。実際の日本企業の業績を反映した適正な水準に過ぎないのです」。株価の形成における大原則は、企業の収益力です。企業の収益力と株価の関係は、「PER=株価÷一株あたり企業収益」で測定されます。

1989年12月のバブル絶頂期、PERはなんと60倍にも達しました。当時、日本企業は株式時価総額で世界のトップ5を独占しており、代表的な企業にはNTT、住友銀行、富士銀行、日本興業銀行、第一勧銀などが含まれていました。しかし、今ではこれらの企業はすべて合併や分割によって消滅してしまいました。

一方、現在のPERは約17倍程度です。この水準では、株式時価総額の世界ランキングにトヨタがようやく27位で登場する程度です。バブル期とは異なり、全く別の様相を呈しています。もしも現在のPERが60倍であれば、日経平均は10万円を超えるでしょう。株価にはさまざまな要因が影響しますが、少なくとも日本企業の収益力に対して、現在の株価がバブルではないと言えるでしょう。