一括投資と積立とどちらがよいか(126の法則)
126の法則という言葉を聞いたことがあるでしょうか。積立投資で運用資産が2倍になる法則です。運用利回りが6%であれば、運用資産が積立投資元本2倍になるために必要な年数は、126÷6=21年です。前回、お話した、一括投資した場合の72の法則だと72÷6=12年です。「なんだ、資金を2倍にするには、積立投資より一括投資の方がずっと早く2倍になるじゃないか。」と思われるのは、そのとおりです。理論上、一括投資の方が投資効率がよいのです。しかし、この理論が成立するには、絶対に不可能な前提条件があります。それは、市場が一貫してずっと上がり続けるということが前提になります。ご存じのとおり、そんなことはあり得ません。例えば、バブルのピークの1989年12月の日経平均は38,900円でした。2023年8月の日経平均はバブル以降の最高値とはいえ32,000円程度です。1989年12月に日経平均に389万円一括投資した結果は、34年経って市場が大きく回復してもまだ320万円に回復したにすぎず、元本割れの状態は続いています。これに対し、積立投資の場合だと、バブルのピークに積立を開始した場合であったとしても、元本は約2倍になっています。市場はつねに上がり下がりを繰り返します。一括投資をするタイミングは、どんな上級者でもものすごく難しいのです。