若い人が根拠なく年金に不安を感じている

若い方の約7割が「年金に不安を感じている」といわれています。
若いうちから資産形成を意識すること自体は、とても良いことだと思います。

しかし、「年金が不安だから資産形成をしなければならない」という考え方には、少し注意が必要ではないでしょうか。

まず、日本の年金制度は、現役世代がお年寄り世代を支える賦課方式が基本です。さらに、基礎年金の約半分は税金で賄われています。そして、将来に備えた積立金もあり、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)には現在約250兆円規模の積立金があります。

よく「少子高齢化が進めば年金は破綻するのではないか」と言われます。
しかし、この問題については、2004年の制度改正で一定の手当てがされています。いわゆるマクロ経済スライドにより、現役世代の負担能力の範囲内で給付水準を調整する仕組みになっています。

また、「現役世代が減り高齢者が増えている」とよく言われますが、実は年金を支える人と受け取る人の関係は、1970年代の高度経済成長期と比べて、極端に悪化しているわけではありません。

高度成長期には多くの女性が専業主婦でしたが、現在は多くの女性が働き、保険料を支える側に回っています。さらに、当時は60歳前から年金を受け取る人も多かったのに対し、現在は65歳まで支える側に回る人が増えています。

インターネットやYouTubeには、不安を強く煽る情報も少なくありません。若い世代は、そうした情報に振り回されすぎないことも大切だと思います。

資産形成は、「年金が不安だから仕方なく行うもの」ではありません。
本来は、自分の人生をより豊かにし、将来の選択肢を広げるために行うものではないでしょうか。